“guépard”(ギュパール)
フレンチアイウェアの第一人者である
札幌のヴィンテージ眼鏡店”Fre’quence”柳原氏,
神戸のヴィンテージ眼鏡店”SPEAKEASY”山村氏
の両氏。
そんなフレンチヴィンテージを知り尽くした二人が
フレンチヴィンテージディテール元にサイズ感のみをモダナイズ、
フレンチアイウェアの良さを損なわなず雰囲気を味わえる様ディレクションし、
職人のハンドメイドより産み出される至極のアイウェアブランド。
また小さなネジに至るまで分解し撮り下ろし、
全てのパーツを原寸大で掲載したアーカイブブック、
『Frame France』を共同出版した際にも大きな反響を呼びました。
既に一部のお客様には口頭でお伝えしいておりましたが、
2/17(sat)~23(fri)の7日間DAMAGE DONE 2NDにおいて
“guépard”のPOP UP SHOPを行なうことになりました。
それに伴い2/17.18の2日間(12:00~19:00予定)
デザイナー兼ヴィンテージアイウェアショップ”Fre’quence”のオーナーでもあり、
日本にフレンチヴィンテージアイウェアを広めた第一人者である
柳原 一樹氏をお招きし僕らと一緒に店頭に立っていただく事になりました。
そんな同氏が手掛ける”guépard”のアイテム一つ一つを
直接解説して頂ける機会は滅多にないと
同時に眼鏡全般のお話を聞けるいい機会です。
ぜひ今週末はDAMAGE DONE 2NDへ足をお運びください。
そして今日は、
“guépard”というブランドを少しでも内面から知ってもらおうと思いから、
先日柳原氏にインタビューしてきました内容を掲載いたします。
少しでも柳原氏の言霊が伝わるよう一切編集なしの長文でお届けします。
お時間あるときにゆっくりご覧ください。
~interview~
Q.まず最初にメガネに興味をもったきっかけを教えて下さい。
A.元々、洋服が好きだったんですが高校生の時に目が悪くなって某有名ブランドの眼鏡を親に無理言って買ってもらい、学校へ行くと周りの反応が「顔が変わったね〜!」という反応で、眼鏡って顔を変える事が出来るアイテムだなぁと思ってそこから洋服と同じくらい興味を持ちました。
Q.ヴィンテージという一番良質なモノを知り、国内屈指の名店をかまえ成功し地位を確立した柳原さんがなぜいま”guépard”を立ち上げたのですか。山村さんとの出会いやエピソード、お二人で”guépard”を始めた経緯を含め教えてください。
A.先ず、相方でもある神戸のSPEAKEASYの山村との出会いですが自分は以前、金子眼鏡で約10年働いていて現行品の眼鏡の良いとこも悪いところも全て見てきて現行品の眼鏡に飽きちゃったというか、興味が全く湧かなくなって会社を辞めてデットストックのヴィンテージの眼鏡のお店をしたくて札幌に戻ったんです。
その時にフランスのヴィンテージの眼鏡はどうしても扱いたいなぁと思っていたんですが、PersolやB&Lを扱っているディーラーは知っていてもフレンチヴィンテージの眼鏡を扱っているディーラーは知らなくてある日、情報はないかな〜と思ってネットで色々調べていたらフレンチヴィンテージが掲載されているサイトがあって、キャプションも全て英語表記だったので英語で「卸は行っているのか?」みたいなメールを送ったんですよ。
そうしたら、関西弁の日本人から電話が掛かってきて「山村と申します」みたいな事言ってるんで「日本人かよ!!!」って内心ビビって(笑)一度、神戸まで行って会って話がしたいなと思ったのがきっかけです。
そこから彼にディーラーを教えてもらったり一緒に商品を買ったりと付き合いを始めたのが5年前くらいですね。彼もフレンチヴィンテージの眼鏡が好きだったのでこれから一緒にフレンチヴィンテージを盛り上げていきたいねと話をしてました。
始めた当初は全然売れなくて(笑)アメリカのTART OPTICALのヴィンテージが勢いがあった時期でもあったので最初は厳しかったですね。
だけど、二人とも1940、1950年代のフレンチヴィンテージの眼鏡が持つやりすぎとも思える様な手間の掛かった独特のディテールやデザイン性の高さ、あとはクォリティーの高さに完全にハマっていました。
2014年くらいから東京で少しづつ売れる様になって年々、ヴィンテージ眼鏡のメインストリームになって行った感じです。
2015年には二人でフレンチヴィンテージだけを集めてアーカイブブックを作って見たいねって盛り上がって、自費で「Frame France」って本を出したんですが、全て原寸大で、ネジも全て分解したフレームが淡々と並んでいるという「誰が見るの?」っていう本なんですが、眼鏡業界のかたや、マニアックな人、海外も含めて結構売れましたね。赤字ですが(笑)
僕たちみたいにフレンチヴィンテージ眼鏡の専門の本まで出版している人たちは世界では誰もいないですし、ここまで深くまで掘り下げている人はいないので、そういった面ではフレンチヴィンテージも盛り上がりに少しは貢献できたのかなと思います。
その頃、自分の中で「オリジナルを知っているからこそ何か表現出来る事があるのではないか」という思いがあって、山村に自分たちが知っている全ての知識やバックボーンを表現するオリジナルブランドをやらないかと提案しました。
僕たち自身は洋服も凄い好きで、なんでも着るんですが特に山村のスニーカー愛がすごくて(笑)僕もスニーカー好きではあるんですが、ALDENやJ.M WESTONといった革靴も好きなんです。
その頃、自分は移動や出張が多くてなかなか革靴を履く機会が減ってきた時期で山村の影響のせいかスニーカーを買う機会が多くなったんです。
スニーカー買う時に、「ここがこうじゃないとダメだな〜」とか「生産はこの国のじゃないとなぁ〜」とかいざ、自分が買う頻度が高くなるとやたらこだわりがある事に気付いて、革靴から比べるとスニーカーって安くて手軽な位置付けだけど、何でも良いわけじゃない。
その時に、普段自分たちが売っているヴィンテージの眼鏡は価格的にもちょっと良い革靴みたいなモノでオリジナルはスニーカーみたいなポジションの物を作りたいなぁって思ってコンセプトやデザインを含めて本格的に動き始めたのが2015年の秋です。
Q.”guépard”の拘りやポリシー、特徴を教えてください。
A.あくまで僕たちはヴィンテージ眼鏡の専門家なんですけど、現行品を作るってなったらやっぱり僕たちしか知らない細かなディテールや、ケース、レンズのカラー、タグの形、タグの紐の色とか当時のバックボーンやフレンチヴィンテージやヴィンテージを相当数見たり、扱ってこないと知り得ない事があるので、そこの部分は買う人が分からなくても僕たちはかなり力を入れて再現しました。
そして一番こだわったのは価格です。
日本製で税込で¥25.000は正直、儲けなんて無いんですが(笑)僕たちが現行品を作るってことは上記である様なスニーカーみたいな立ち位置の眼鏡を表現することが意味や意義のあることなんじゃ無いかなと思っているのでそこは完全にやせ我慢してます。
そもそも1940年代や50年代のフレンチヴィンテージの生地なんかは再現することが不可能なのに、頑張ってそれっぽく近づけて価格が4〜5万円とかすごいナンセンスだし、昔のヴィンテージの眼鏡の形を復刻してる眼鏡ブランドって市場にたくさんあるんですよね。
そんなブランドに限ってデザインしている人はヴィンテージの上辺を見て現代のマーケットにフィットする様に作っている物が多くて、要は「デザインネタはヴィンテージからパクって売れるデザインに再編集している」眼鏡ブランドが多くて嫌だなーって思っていて(笑)
そしてヴィンテージからネタを引っ張って来ているのに当のブランドの人間たちは全然、ヴィンテージの眼鏡の事とか知らないんですよ。
それっぽくなぞって、売れる様に形を変えて売ってるブランドや人間たちとは僕たちは全然違うスタンスですね。
「知らないでやっている」のと「知っててやってる」のでは全然意味合いが違うと僕たちは思ってます。
僕たちはフレンチヴィンテージが持つデザイン性の高さを信じているので、デザインは一切変えず、レンズのサイズだけ1mmとか大きくても1.5mmとかサイズアップして全体のバランスを極限まで変えない様に何度も修正をして作っています。
なのでgue’pardの眼鏡のデザイン自体は60〜70年以上前のデザインなんですよね。
けど、現代に改めて見ても古臭さは全く感じないですしモダンに見えるところがフレンチヴィンテージの凄さかなと思います。
Q.”guépard”を選ぶ際のコツやアドバイスを教えてください。また柳原さんご自身の拘りなどがあれば教えてください。
A.gue’pard自体は40〜50年代のフレンチヴィンテージがベースなのでレンズサイズが現行品の眼鏡ブランドから比べると小さく感じる人もいると思うんですけど、少し小ぶりな方がクラシックで雰囲気があると思うんですけどね。
掛けた時に、レンズの中心に黒目が来ているバランスが丁度良いと思います。
個人的にはアメリカっぽいスタイル、例えば古着の80’Sのチャンピオンのパーカー、501の66後期とかに眼鏡はフレンチテイストの物を合わせるスタイルに最近、ハマっています。他にも僕自身はMARNIとかマルタンマルジェラのシャツにフランス軍のM47を合わせるのも好きですが、フレンチスタイルの眼鏡は相性いいです。
ベタベタなアメリカの眼鏡も良いですが、フレンチテイストのアイウェアは上品でどんなスタイリングにも相性が良いと個人的には思います。
Q.最後に眼鏡に縁がない人、眼鏡はちょっとな~という人に、一人のメガネ好きとして眼鏡の魅力を伝える心に刺さる一言お願いします!!(笑)
A.下着でいうところのパンツみたいなものです。無くても大丈夫は大丈夫ですが、顔も下も落ち着かないでしょ。(笑)
以上インタビューでした。
柳原さんお忙しい中ありがとうございました。
そして明日は17日から実際当店に並ぶ”guépard”のラインナップをお届けします。
お楽しみに!!
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DAMAGE DONE 2ND
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